100201-04

  • 理論ゼミ
    • 月曜。俺の発表部分までは回ってこず。基底状態のラベリングに何を使おうかしらという話は「Zwiebachゼミでやった問題だ!」とか言えればよかったんでしょおか。その他だと、俺の発表部分で使う計算、っていうかその日に俺の発表部分まで回ってきてそこの計算についてなんか言われたら「時間成分だけ先に積分して留数使ってあとは3次元球で出来るはずだよ」と一字一句違わずに言って誤魔化そうと思ってた部分をやってもらったりですかね。
  • Zwiebachゼミ
    • 最終回が一番何もなかったですな。まあ次に読む教科書でやりゃいいよという部分ではありますか。
  • 実験
    • TODO的にまとめれば、あとは1.フィラメントが光る状態のキープ 2.高電圧かけてemission currentの目標値の達成 3.半導体回路で水素原子発生の確認 くらいですかねー。回路室で電流計探すか自作してフィラメントの電流測って熱電子の計算、という手順を挟んでも良しだけど。2週間かー?

 みんなは首を吊る時以外のどんな時に電気ケーブルを使うかな? まあ亀甲縛りとか、花結びを作ってエクステ代わりにしてみたりとか色々あると思うけど、基本的にはケーブルは電気を通す為に使うんだね。さて、ケーブルで送電する時に気をつけたいのは発熱事故。ケーブルとはいえ少しは抵抗値があるので、ジュール熱ってのが発生するんだ。今日はこれを詳しく見ていこうね。まあ実際は力率とか効率とか色々あるんでしょうけど適当に。そういうのじゃねえから。
 まずはオームの法則 V=RIってやつ。TeXを使うほどのことかいな。えー、中学の教師がこの式を「『ブリッといこう!』って覚えなさい」とか言ってたけど、今日の俺はわりとお腹が痛いから、気軽にブリッといくとえらい目に遭うんだ。だから普通に覚えて。まあ式の意味を説明すると、回路素子の両端で計った電圧の差は素子が持つ抵抗値とその回路を流れる電流との積、ということね。まあこの言い方だと電圧がパラメータっぽいけど、まあ抵抗が温度依存性持つからどう平衡するかはわりと微妙なところ。で更に、時間あたりの発熱量は電流と電圧の積だよというのが W=VIという式。さっきのオームの法則をブリブリブリあひぃっと代入するとW=RI^2となりますな。これをケーブルで考えるとつまり、ケーブルに電流を通すと、仮に抵抗が少ししかなくても、大量の電流を流すに従いもっそい勢いで熱くなるよということですな。具体的な数字を入れてみましょうか。0.1mm^2くらいの銅線が2mあると抵抗がオーダーで3(Ω)くらいにはなりますから、一般家庭のブレーカー的限界であるところの15Aなんか流すと700Wくらい? これでドライヤーくらいの発熱にはなるわけですよ。
 で、回路を組む上で、こうやって熱くなるのってちょっと嫌なわけ。いま俺がやってる卒業実験("卒業を人質にとられているのでみんな糞尿を垂らしながら無理矢理やらされている実験"の略ですが実験とは名ばかりで、5人くらいの班で地下室に入れられて車輪を回して、地上の女王様に電気を作って送る仕事です。女王様は電気が足りないと銅鑼を叩いて催促するので一時も休むことは許されません)で回路を作る時もこの辺は気をつけていることなんですけど。火事が起きたりするのはもっての他だし、あとケーブルを覆うゴムが煙を噴いて融けるのも見ていてあまり気分が良いことではないし(つか導線同士の間で絶縁が切れて短絡するのかな)、あとちょっと発熱する度に女王様がそれを利用してスルメイカを焼くから実験室がイカ臭くてたまらない。「そこな者! わらわに練り生姜を取ってたもれ!」ここ何週間かは、この電流量の増加と発熱の抑制というのが実験のネックであったわけですな。
 まあ必要な電流の下限は物理的に決められてしまってるわけで、あとはこの電流をどう運ぶかということを考えるしかないわけですよ。で、さっきの計算みたいなことをやって発熱を下げるとしたら、ケーブルを太くするしかないわけ。確かに短くしても抵抗は下がるんですけど、確か空気に触れて冷めるぶんの熱量とバランスしちゃってあんまり短くすることに効果はないのね。だから実際、ケーブルを色々売ってるお店(全国のアダルトショップか電器屋さんのどっちか。ほんとは送電として使うんだけど、保健関係の法律との兼ね合いでジョークグッズの名目で売ってんだよね)に行くと、ケーブルってのはその太さ毎に「許容電流」っていう形で流せる電流の上限でラベルされて売ってるわけ。だから3Aまで流せるって書いてあるケーブルを5本持ってきて並列に使っても、あんまりそれらの間で絡ませあったり途中で亀甲縛りに使ったりしてると、1本ごとで測った時の放熱とは違っちゃって単純に3×5=15Aを流せるようになるわけじゃない、正確に言うと流れる分には勝手に流れるんですけどケーブルの周りのゴムが嘘狼煙を上げると。まあしかしとにかく、太くすれば電流は多く流せると。そう考えて頂いて構いませんよ。電気工事士法? 何それ? いやいやまさか。
 それで今週の月曜日、ちょっと前の話になりましたが、理論ゼミの前にゼミのメンバーの1人が太いケーブルを買ってくることになってまして。理論ゼミの後にみんなでそれを使ってみようということになってたわけです。実際買ってきてたのは、えー、VVFケーブル-3芯-って名前(なのかな? ネットで画像見てるとそれが一番近いかも)の、まあ外見は太いっつうか1cmくらいの平たい感じで、その中にはその平たい方向に太めの導線が3本並んで入ってて、それを全体でもっかいゴムで被覆して1本にまとめてるようなやつなんだ。まあさっきも言った通り単純に3倍出来るかはわからんけど、基本的には中に入ってる太めの導線の3倍の電流がそれ1本で流せると。まあ更にこれを2本まとめて、中の導線を単位にすれば6本セットで使ってやろうというのが作戦だったわけです。それを買ってきてもらってて、で、理論ゼミの最中は教室の後ろの方に置いてあったわけです。そしたらさ、俺、楽しくなってきちゃって。なんか、ただでさえ太い導線をさらに複数本ぐるんぐるんにテープでまとめて「いっぱい流すには沢山まとめて導線太くしたらええんや!」っていうことをやろうとしてる、「結局物理ってそんなか」っていうすげえ頭悪いオーラを発した導線を背後に置きながら、で黒板の前では必死に難しい理論物理をやってるわけじゃん、そのシュールな感じねー。わくわくしちゃうよ。