100109-10

  • Zwiebach 『A First Course in String Theory』
    • 22章本文と演習問題終了。色々怪しい。発表前に見直す。

 まあそういうわけでちんたらちんたらこのZwiebachおじさんの書いた教科書を読んでる年末年始だったわけです。この本は自主ゼミの教科書にしてる本なので、まあ簡単な本ではありますけど、そんなに全部を全部自分で読んで理解する必要はなくてですな、むしろ簡単な本なぶん自主ゼミやることなくなりがちなので、予習中に降って湧いた疑問を持っていけるに越したことはないくらいなのですよ。もちろんそれは疑問にも質というものが御座います。本の筋に対してそこに書かれていない新たな可能性を開拓できるような、見えない道に入って行く為の一歩目の質問ならそれが一番よろしゅうございましょう。まあ勿論本文の文章の解釈、略されている計算や演習問題が合わない等々も、せっかくの機会で御座いますからまあどうぞご質問なさいな、と。他の高度な技術だと、とりあえず発表者と内容について適当に繋ぎで喋ってる内にイメージが違うとこを見つけていじり始めたりするとかいうのがありますけど。何それ? どの神様に何を奉納するとそんな神技を習得できるわけ? 新月の晩とか処女の生き血とか使う儀式? 俺からしてみたらまあそれくらい高度なやつね。他の質問では、まあ「ねえ、俺の教科書にすっげえ長い髪の毛が挟まってたんだけど、これ誰の? 誰の? もしや俺んちに知らない間に美人の幽霊さんとか来てた? よっしゃあああ! 女人! 俺の部屋に! 女人!」とか言い始めてもいいですけど、まあそういう人相手には「次回から自主ゼミ、理学部5号館の地下にあるあの懲罰房みたいな小部屋になったから。他のみんな遅れるかもしれないけど先入ってて」っていうメールを送って、次の週にそいつがその地下室に入った瞬間に外から閂を落としますけれども。5号館いま耐震工事とかやってますけど、あれフェイクで実際やってるのは懲罰房の増設とその防音加工ですからねー。縄文土器になるまで反省すると出られますというか発掘されます。ごめん、何のゴールも決めずに書き始めたから今日の文章は寄り道がいつもより酷いね。とにかく。この予習は疑問を残しながら読み進めても別にいいということね。1行でまとまったね。いいですか、ボクみたいな愚図が自主ゼミの末席を汚すことを許されているからには、持ってる疑問なんざ出し惜しみなんかしてる場合ではないわけ。ねえ、いはゆるところの、私が持っているのは、これくらいのものというやつですよ。アレガ・デネブ・アルタイル・ベガですよ。そういやこないだ『化物語』買って俺の西尾維新ヴァージンは破られたわけだけど、「他の人が"この作品は西尾維新っぽい"って評したものから想像してた西尾維新像」みたいのと全くの対極にあって俺未だに混乱してるよ。もっと歪んだ軽妙洒脱会話劇なのかと思ってたらツッコミの人テンション高いじゃん。びっくりしたよね。えっと、何の話をしてたんだっけ。厳密に言えば尻穴があるけれどという話? それは違うよ。
 ということで、今はちょっとでも違和感を感じたら「ここが怪しいシール」を教科書に貼っています。具体的には近似の範囲が怪しいと思ったらぺたり、図の解釈にぺたり、説明が胡散臭いと思ったらぺたり、あと"違和感を感じる"みたいな日本語にはぺたりんこです。「ぺた凛子と聞いて!」いやいやいや。まあ何かを疑うことにかけては俺もちょっとしたもの、世界中の人がボクを騙して世界中の人が俺を嘲笑ってるし、ボクの脳の中に棲む蝉は一週間どころか冬になってもまだ鳴き通しだ! どうせお前にも聞こえてるんだろう漏れてるんだろうボクの脳は! ま、京都人と喋る時はそれでちょうどいいくらいですけど。あいつら腹芸ばっかですわ。というわけでボクの人生はありとあらゆるところにこのベージュ色の「ここが怪しいシール」を貼ってまわる人生です。一番信用できないのはボクが今操縦しているこの機体、自分に見えてるもの聞こえてるもの触れているもの全てが信用ならない。そうこうしている内にナッシングイヤー芳ファーストもかくやというくらい何かある度に自分の体のありとあらゆるところにシールを貼ってたら、もう元の薄緑色の皮膚とかすっかり見えなくなっちゃってるものね。ボクは元来緑色の豚なのに。ぴぐぴぐ鳴くよ。