propeller 『きっと、澄みわたる朝色よりも、』

　一本道のひよゲー。わりと視点がしょっちゅう飛んだり主人公に声が付いてたり、あとはまあシナリオの構造的にも、どっちかというと神視点でキャラクターの物語を読んでいる感じではあるけど。伏線というよりはあからさまな仄めかしでそれ全部拾うしね。前半部分で蓄えたキャラクターの魅力を使いながら後半部分のシリアスパートを解き明かしていくので、いかに前半読んでる内に「うーーーわーーーーーひよ大好きだーー！！ 笹丸屠られろ！」っていう状態になっておくかがわりと大事。
　基本的には朱門優シナリオのお得意の、和風伝奇とそれを更に深く印象づける言葉遊びは健在。ある意味ではそっからの脱却がこのシナリオのテーマの一つなのか。ポジティブな意味で。というわけで、シナリオ以外の部分の完成度もやったら高いので(男性声優陣とか豪華だし、ギャグ場面のヨダ絵はもはや暴力の域)、シナリオライター朱門優を目当てに買うなら全然あり。

きっと、澄みわたる朝色よりも、 豪華初回限定版