091026

  • 理論ゼミ
    • 昨年のノーベル賞受賞で一般にも名を知られるようになりましたが、南部陽一郎先生という方がいらっしゃいますな。まあ偉大にも程があるというレベルの大先生で、去年の受賞なんかに至っては「南部先生に出せるなんてノーベル賞も偉くなったもんだ」なんていう冗談が聞かれたくらいの方でございます。で、その先生の一般向けの講演がうちの大学である、ということがちょっと前にわかりまして。で、俺様ってば1週間以上向こうのことはあまり深く考えられない人ですから、基本的に「よくわかんないけどとりあえず」っていう理由でその講演の聴講希望登録みたいなのを済ませてから開催日時を確かめてみると、なんとびっくり10/26、月曜の午後なんだね。
    • あのさあ、そりゃ休日だと大学の事務周りとか面倒とか色々あるのかも知れないけど、基本的には「なんだって平日の昼過ぎに一般向けの講演をやるの」ってことになるでしょうよ。普通に授業期間中だし。こんなの、いっつもこういう講演に顔を出しては最後の質疑応答タイムで頓珍漢な質問をするあのジジイしか得しない日程じゃないですか。で、まあ特に月曜の午後なんてのは理論ゼミありますから、俺。「ふむん、今度からはちゃんと日付を見てから参加できるかどうか考えよう。で、さて、どうするかな」なんつってさ。あの、まあ、一般向けの講演を今更聴いてどうする、南部先生の話を聴きたかったらそんなんちゃんと目の前の勉強をして、一刻も早く同じ物理屋としてどうにかできるようにしなさい、というのはまあそりゃそうでしょうが。というわけで普通にそっち放置して理論ゼミの方に行こうかしらんと予習もしていたわけです。今わりと調子いいので「偉い人の話を聴いてやる気ブースター」みたいなの使う必要もあんまない感じだったし。どっこい、心の底にはちょっとだけ、「あ、俺、名前と所属つきで参加登録してんのにキャンセルしないってのどうだろう」ってのもあるんですよ。特に今回、参加人数が多すぎて当初予定されてた会場から変更されたっていう経緯があるくらいの大盛況なのにそういうのもねえ、ってのもあるし、あと何より、この講演の主催なー、来年俺が院生として行くところなんで、うーん無断欠席ねえ、という感じもあったわけですが。まあ最終的には理論ゼミの方の教室に行ったら、時間になって来た教員が第一声、「南部さんの講演に行きたい人とかいないの? 今日はそっちに行くことにしてしまうというのも全然いいですよ」なわけ。というかすごく落ち着かない様子で妙に講演会をプッシュしてくる。まあ俺としても願ったり叶ったり、みんなで連れ立って講演会行ってきました。
    • キャパ400だったかそのくらいのホールだったんだんだけど、学生と、あと予想通りの白髪おじいちゃん勢がいっぱい、この人たちがまた揃いも揃ってすげえ気合い入ったバズーカみたいなデジイチ構えてんだけど、まあそういう人達と、あとマスコミ陣がメインだったかしら。それで粗方埋まった中、まあちゃんと連れ立ってきた他のゼミの人達も当日申込みで入れて無事に座れましてね。
    • いやはやこれが面白い講演だったんだ。まあ講演中ずっとそのシャッター音が途切れることなく進んでったんだけど。南部先生がその多くを占める老人の更に1個上の世代で無理なく聴衆に聴かせられる語り口と雰囲気っていうのもあったし、中身の平易さというのはその著書『クォーク』で縦書きのブルーバックスでありながら素粒子物理学を噛み砕いて説明して見せた通りだしでございます。講演も20分を過ぎた辺りからだんだんガチな話っぽくなってって俺も充分満足な話が聞けました。あのねえ、SSBの辺りは例え話が上手すぎてそれがちゃんとした物理の話なのかどうかわかりにくい、っていうレベル。

 ん。びっくりするくらい普通に、一個も面白いこと書かなかったけど、こういうのでいいんだっけ。