090930

 誰かが俺のカバンに見えない砂を詰めている。寿命という名のこぼれ落ちる砂時計に恒河沙を注いで頂けるなら歓迎いたすところではございますが、そんな話ではありません。いつの間にか俺のカバンがどんどん重くなっていくという話ですよ。おお、一気に話が小さくなった。まあ俺が普段使ってるのは、肩掛けでB4が入るくらいの書類カバンなんですけど、ほんと何も不要なものは入ってないはずなのに、ちょっとこのカバンを引っかけて出かけた日には翌日にもっそい肩凝りで、球体関節みたいに肩を外しちゃいたくなるくらい痛くなるんです。ちなみに肩掛けじゃないカバンを使ってた時分は腰が痛くなってたんですけど。何それ、背筋で持ってたってこと……?
 まあいいや。で、元々俺の肩って常時痛いようなふしがありまして。あの、昔少年野球チームで主将やってましてね、俺。まあどのくらいの腕前だったかというと、多分あの頃の俺がいた地区の少年野球チームん中で、攻撃前にベンチの前で作る円陣は、俺が中央に座った円陣が3番目くらいに格好良かったと思います。野球の方はですね、3勝20敗くらいの年とかありましたね、くらいで。当時のトラウマでチームプレーが要るスポーツをするのが今も嫌い。まあその頃にちょっとあれした感じで、それ以来肩関節と、あと右の長橈側手根伸筋って言うんですか(知らねえよ)、肘から手首にかけての親指側の筋肉が、なんか異様に疲れやすい癖みたいなのがついてるんです。まあそういうことにしておけば俺が長い時間勉強に集中できない言い訳になるじゃないですか。ということで、俺の弱点リストの3番目くらいには「右肩/右腕を使わせる」が入ってきます。でそれを上手に突いてくるのが俺の書類カバンなわけですねえ。ちなみに弱点リストの1番上は「家を燃やす」ですけど。それは弱点というか兵法。
 だからカバンは出来るだけ軽くしたいんですけど、ほんといつの間にか重くなっている。中身は折りたたみ傘とか文庫本とか、いざ無いとなると困るものばっかりなんですけどね。まあ確かにブログ用ミニ名刺は2年前に50枚作ってまだ10枚も撒いてないので要らないのだと思いますが、それくらいでしょうな。で特に、今年に入って理論ゼミが始まってからは、毎週月曜日に学校にPeskin著の教科書っていう大体1kgくらいの本を持っていくことが義務づけられ、あと九後『ゲージ場の量子論』っていう、これはA5くらいの小さい本が上下巻、これを忘れると俺は本格的に理論ゼミで居場所を失くしますのでこれもまあ必須と言っていいでしょうな、この辺りを毎週の理論ゼミで持って行くことになっているわけです。もう重くてしょうがないよね、実際。もう肩なんか前期中ずっと慢性的に痛かったわけ。
 んで明日ですよ、明日。木曜日。もう休みが終わっちゃうって時点でうっかり桜の木の下に埋まっちゃいたいくらいに死にたいわけですが、まあ実験ゼミだから手慣らしにはちょうどいいじゃない、と思ってたらそんな話ではなかった。その前にちょっとした打ち合わせがあるので、Zwiebachっていう人の書いた教科書、これがまたPeskinと同じくらいの重さあるんですけど、まずはこれを持って行く。んで更にたぶん月曜理論ゼミの担当者決めもあるのでその上述した本とかも要るわけでしょう、あと、9月中に上巻を読み切るとかほざいてた本が、まあ予想通りちょっと足が出ながらも週末には読み終わるわけで、明日の帰りにはその下巻も生協で買って帰りたい、あと明日こそドッキリ仕掛け人を捕まえてそいつの目を潰してやりたいから砂が要るよたくさんの砂が要るよ土嚢くらいの量の砂が要るよ、となるとまあまあ、書類カバンじゃなくてボストンバッグ引いていった方が、っていうくらいなんですよ。ああ知ってる知ってる、週末に遠出して日本橋まで同人買いに来た人みたいな感じでしょ? ボストンバッグって使わない時はその上に座って地面を蹴れば自動車にもなるから便利だよね。ってことは免許証も要るのか……ますますカバンが重くなるな……。