内田百輭 『冥途・旅順入城式』

陳腐な言い方をすれば「位相のずれた世界」とでも言うような小説集。ルールが違う世界にぽんと投げ込まれたのに自分はどこかでその世界のルールを知っている、というかで、ほんとに夢を見ているかのような感じで、それでいて周りの風景描写もしっかりしているし、でツボにはまったやつはもう怖くて怖くて仕方ない。

冥途・旅順入城式 (岩波文庫)

冥途・旅順入城式 (岩波文庫)