ぶつりぶ!

高校時代、俺、物理部だったんですよ。部活動でそういうものがあったんですね。そのうち誰かが4コマ漫画にしてくれればいいと思うんですが。さて、今も俺の本名をgoogle先生すると若干残滓が見えますが、そこでやってた実験テーマがバネ振り子だったんです。上手いことパラメータを調整すると、バネの鉛直方向の単振動と振り子の半径一定の運動との間を移り変わるよという話で、最初に真っ直ぐ下に引いたバネが勝手に水平方向にも動いたりまた鉛直運動に戻ったりするように見えてわりと面白いんですけど。結局その時はそのパラメータの調節を実験的に求めて、あとはよくわからんままにしてたのかな。で、今年の春から始まったゼミで最初の自己紹介の折りにその話を少ししたら、まあ実験担当の教員がちょっと変な食いつき方をして(振動のモードの移り変わりと見ると素粒子論の話になるんだろうけど実際はそんな非線形な感じでもない)、で理論担当の教員(すごくつよい)も「でも、もう君それ解けるよね」って言ったんです。「まあ、コンピュータでシミュレーションすれば、たぶん」って答えたら「いや、もう解析的に」って言われて。ほほう、と思うじゃないですか。曲がりなりにも俺もその程度は出来るのか、そりゃちょっと大学に来た意味もあんなと。まあその時はやりませんでしたけど。
さて季節は夏、暑くなってきましたね。院試も差し迫って参りました。で、院試に面接があるじゃないですか。各人が興味のある物理のトピックについて何人もの教員の前で喋ってはボコボコに叩かれるイニシエーションなんですけど。さて問題は物理に糞の興味もない(というか色んなことに絶望なう)俺が何を喋るかなんですが、そのバネ振り子を解いて喋ればいいじゃないかとふと思ったわけです。去年の学生実験の話を説明してボコボコにされるよりも、なんか変なこと喋っといた方が突っ込まれにくいかなというのもありますが、手前が興味のあるといえばこれ以上ない題材ですしね。それでいてまあちょっと素粒子論の話に引っかかる部分があるならもう言うことないなと思って。軌跡の式書いて「ほら、ここにある初期角度がどんなに小さくても時間発展するんですよ、だから下に引っ張ったつもりでも横に動くんですね!」みたいなことが言えたらちょっと楽しいんじゃないかなって。あと、4年前に伏線を張っておくという文学性もいいよね。そうやって日常で蓄えた文学性が一定値まで溜まるとエロゲの主人公になれるんでしょう?
うん、解けなかった。つかEoMまで作ったけど、これ積分できないだろ、まず、ってのが出てきて。もう。あの偉い先生「解ける」つったよな、初対面のあの時から騙すくらい俺のことが嫌いだったのか、とかなりげっそりですわ。でもそうは言っていられない院試は迫っているぢゃないか、というわけでとりあえずシミュレーションしました。まあ普通にオイラー法で追っかけるだけなのでそんなのは一瞬ですわ。今どきフリーの物理エンジンなんざいくらでも転がってるのでしょうが、自分でcとgnuplotで書きました。結果、うーん、微妙。というか、高校時代に手で求めたパラメータ条件が合わない、変えた方が綺麗。それでも一応「そういえばこんな動きしてたなあ」ってのは見えたけど、だから何ってことではないわな。そうなるものはそうなる、以上のことはシミュレーションからはわかんないし。で結局いつもみたいに「まあ、面接までいけるかどうかわかんないし、この話はあとにしよう」だって。そう、4年前から伏線を張ってたわけじゃなくて、4年前から後回しにしてただけ。そして更に今日も後回し。それでは文学性ポイントは溜まりませんよ?