今やってることの理論を自分で詰めた

すいませんがわかる人にだけわかるような説明しかしません。簡単な量子力学程度なのでわからん人は頑張って物理をやって。わかる人に言っておくと、詳しい理論は2000年度の卒業研究P2のレポートが詳しいです。あれを静磁場でやる感じ。勝手に探せ。このエントリが役に立つとしたら同じ班の人だけだけど、まさか見ているはずがないのでもう自己満足です。
以下はTeXの無駄遣い。はてなダイアリーだもの。何をやってるか。陽電子と電子が対になったポジトロニウムってのの寿命測定。ポジトロニウム自体は電荷が水素原子と同じなので換算質量に直せば模型は大体同じ。で、これが非hermiteなHamiltonian使って理論から崩壊寿命が出ます。で、電子と陽電子のスピンの組み合わせからパリティ偶奇な状態があります。偶がpara-Ps:{}^{1} S_{0}、これが2γに崩壊します。奇がortho-Ps:{}^{3}S_{1}。こっちは3γに崩壊。寿命はQED結合定数1つぶん(とファクタ)2γの方が短くて100psオーダー、3γは142ns。この桁3つが意外と実測を難しくします。で、だ。磁場をかけると状態が混合して、適当に基底をとると、orthoの中の|1,1>(さすがにbra-ketはパッケージがないとTeX出来ないはず)、|1,-1>はそのまま、|1,0>と|0,0>が混じった|+>と|->が出てきます。ごちゃごちゃやると|->の方が磁場無しで142nsだったのが短くなっていって数十nsになり、|+>の方はあまり変わらず100psオーダー。この混合の割合は計算できるから、つまり磁場有りの場合の|->の寿命を測定して逆算すれば、正確なortho-Psの寿命100psくらいのがわかるようになる、というものです。
以下は更にもううちの班の実験の仮定とか入ってくるんで読むのやめた方が良いよ。そんなに気になるなら今月末に実験結果を発表する時に招待するからさ。そうなった時に中身が間違えてたら俺のさらしものっぷりと言ったらないな。え−、仮定2つ。1.装置は2γしか反応しない 2.最初の分岐比は|+>,|->が同じ だとすると、2γでしか反応しない→|0,0>の状態からの崩壊である(パリティ選択)。つまり、元から|+>にあったものの内、|\lt 0,0|+ \gt {\rm e}^{-i \frac{E_{+}}{\hbar}- \gamma _{+} t}|^2が2γとして|+>の寿命数十nsで、元から|->にあったものの内、| \lt 0,0|- \gt {\rm e}^{-i \frac{E_{-}}{\hbar}- \gamma _{-} t}|^2が2γとして、|->の寿命で崩壊する。時間を(寿命に対して)長く取って位相平均を取ると多分それぞれfactor\frac{1}{2 \gamma_{\pm}}がついて、

の黒い部分は傾きが|+>の寿命の逆数、面積比が\frac{| \lt 0,0|+
 \gt |^2}{2 \gamma_{+}}で、白い部分は寿命が分解能以下なのでほぼGaussianとして、面積比が\frac{| \lt 0,0|- \gt |^2}{2 \gamma_{-}}。面積比は結局黒:白=\frac{|\epsilon|^2}{2 \gamma_{+}}:\frac{1}{2\gamma_{-}} \sim 1.28{\rm e}-10:2.5{\rm e}-10 \sim 1:2くらいになるはず。
以上は真空の話。空気がある場合、Pickoff反応(周りの電子を奪って対うっかり消滅)やスピン交換反応(なんかortho→paraになるらしい。逆か?)で寿命が長く(?)なるらしい。ほんとかよ。A1の発表を見ると気圧の一次で寿命短くなってなかった? 個数の問題と傾きの問題を間違えてるのか俺。磁場依存性もよくわからん。いずれにせよ寿命としては(magnet,vac.)<(magnet,air)<(nomagnet,vac.)<(nomagnet,air)という寿命になる? ここが一番よくわからんのだけど考え直しても結局わからんな。