森鴎外 『ウィタ・セクスアリス』

SEO的には『ヰタ・セクスアリス』の方が。森鴎外自身の、性欲に関する自伝的小説、らしい。少年時代から23歳の洋行くらいまでを描いている。顔のコンプレックスから非モテをこじらせて虚勢を張ってる知的エリート、と簡単にまとめてしまえそうな気もするくらいにはさらっと読めるし、それだけ客観的分析の形式のように書かれているんだけど、そういう風に現代の言葉でも置き換えられるような普遍的な感情と、それだけに留まらないまとめると失われてしまう何か、を文豪が素直に書いているのは、まあ面白いかなと。

ウィタ・セクスアリス (1960年) (岩波文庫)

ウィタ・セクスアリス (1960年) (岩波文庫)