サガン 『ボルジア家の黄金の血』

サガンの単著じゃなくて、テレビ用の脚本だったのを違う誰かが小説仕立てにしたらしい、というこの本。ルネッサンス期に実在した法王の一族の話をある程度脚色したものらしいけど、よく知らんのでなんとも。でも、テレビ映画になるような題材なだけあって向こうでは多分みんな馴染みのある登場人物なんだろうなあ、という感じで終盤になっても構わず色んな人が登場しては顔見せだけで消えていったりと、なんとなくあっさり一連の出来事をさらっていくだけの筋っぽく見える。なんというか、暗示だけでいいところを明らかに書きすぎで小説としてあんまり良くないように思う。知らんけど。ただサガンの台詞回しなだけあってエロい雰囲気を書く部分はさすが。
ボルジア家の黄金の血 (新潮文庫)