国木田独歩 『武蔵野』

日本の自然主義文学の先駆者、国木田独歩の言わずと知れた代表作『武蔵野』を含む短編集。全然読むスピードが出ない、というか出来るだけゆっくり読みたいと思わせるような豊かな自然描写がたまらん。個人的には自然主義ってあんまり得意じゃないんだけど、国木田独歩の自然描写と心理描写が混じりあって人間を書く文体ってのはむしろ好きだったりする。無常観というかなんというか。そういう意味で一番気に入ったのは『河霧』かな。『星』とかの詩っぽいのも嫌いじゃないけどね。
武蔵野 (新潮文庫)