アービンジャー・インスティチュート 『自分の小さな「箱」から脱出する方法』『2日で人生が変わる「箱」の法則』

自己啓発書、ということになるのかな。それこそ「自分」というものを啓発してしまうから、自分と他者との間に構築するありとあらゆる「関係」を改善しようとしてしまう。家族関係、ビジネス関係からなんと国際関係に至るまで。基本的には性善説っぽいというか、精神論に頼る部分が大きいんだけど、それでも実用的だなと思わせてしまうくらいには良く書けている。

いやまあ、端的に言えば他人を物じゃなくて人として扱えってだけの話で、あとはまあ連鎖的な力学の説明でしかないから2冊読む意味があるかといわれると微妙なんだけどさ。なんというか、最近俺がごちゃごちゃやってたことの解答編、という感じ。直接的過ぎてあんまり好きじゃないやり方での提示だけど、俺の成人式の時の日記とか読むとまあ、最適なタイミングでの投下なのかなとも思う。この本読んだ後だとギャグにしか見えないもんな、アレ。

まあ、そこそこ思うところはあるけれど、この本の通りにして平和な人間になったとして、そしたら俺には面白い文章が書けるだろうか、というのは思う。意味もなく「世界」に対してもがいて戦ってる滑稽な自分、というのもわりと面白いと思うんだよね。

自分の小さな「箱」から脱出する方法
2日で人生が変わる「箱」の法則