山本七平 『「空気」の研究』

有名な本ですね。「KY」って言葉で再注目されたとかどうとか。いわゆるそんな「空気」、そしてそれに「水を差す」という辺りのことを日本人の、情況論理内での臨在的把握などという言葉で説明していく。ほんとに日本特有のものなのか? とか(それこそ海外は未踏なので空気がわからない)いう疑問は残るし、研究というよりは仮説に近いと思うけれど、実感に近い部分もかなりある。

とても古い本で挿話なんかも古めかしいので、グローバル化とやらでどうなって来てるのかな、というのも1つのポイント。流動性が大きくなったりコミュニケーション重視になったりして、逆説的に日本人的「空気」に合わせなくちゃならない部分が増えてきてるような気もするし。そういう部分を考えていくと、いわゆるマスコミ害悪論とかにも通ずるとこもあるんだと思った。あとはよく言われる「黒船」な。iPodとか色々、実際に(臨在的に)新しいものの衝撃に殴られないとなかなか変えられないものがある。

「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))