谷崎潤一郎 『痴人の愛』

こないだの古本まつりで谷崎潤一郎の全集が2,500円だったんだよな。今も買うべきだったんじゃないかと迷ってる。

光源氏計画、身体面だけ大成功→NTR、女肉便器化→「じゃあ己を馬にしてくれ、いつかのように己の背中に乗っかってくれ、どうしても否ならそれだけでもいい!」→ハッピーエンド
という感じの小説。関係ないが序盤辺りで裏表紙の解説の「妖婦」というのを何故か「妊婦」と読み違えて、うわあNTRどころかHRまであんのかぁ……どんだけエロゲ展開だよ……と思ったがそんなこともなく。どっちかってと前読んだ『春琴抄』のが好きかな。
この明らかに「痴」である愛を説得力あるものにするのが谷崎潤一郎の文章力だよなあ。一過性でしかありえない愛を持続させようと思うとそれは呪いにしかならないんだろうな、とも。あるいはそれを愛と呼んだ時に人間の美しさが見えるのではないのか知らん。

ナオミは最初からそうする積りで、計画を立てて、私を釣っていたのでした。

ふぃっしゅ!

痴人の愛 (新潮文庫)