入間人間 『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』
「嘘だけど」の台詞とヤンデレヒロインだったかでちょっと話題になった単発もの。
文体はなんつうのかな、パロディ交じりで無意味な方向に小粋なのを狙っているというかただ言葉遊びを重ねているような、うーん、まあ最近よくあるラノベのノリ、という感じ。色んなところでは西尾維新を意識しているといわれているみたいだけど、俺は読んでないからよくわからない。
終盤の展開がグダグダ気味というか脇が甘いというか。「ルールが壊れた人たち」を楽しむストーリーなんだから、少々甘いところだけを「物語のそういう設定なんだから」というので誤魔化す訳にはいかないんじゃねえのというか。もう少し終盤粘って書いてほしかったかなあと思う。何らかのテーゼを示すとかさ。
結局文体が体に馴染んで楽しめるかどうかだけの本だと思う。体質の問題だね。途中からどのあたりに仕掛けが入ってきてんのかもわかるはずだから、そういうのに騙されたつもりで読み進めていく、というのを楽しめるかどうかとか。ああ、あと。「好き好き大好き超アレしてる」というパロディは終盤の伏線ですよ、気付かなくっても読めますけどね。
1つだけ嘘だけど。
