野村美月 『”文学少女”と飢え渇く幽霊』

ラノベのシリーズものの2作目。
今回は元ネタが未読のまま読んだけど、多分その方が良かったんだろうな。
暗号も解かずに読んで正解。

今回はちょっとミステリ風味強めというか、
主人公は物語に「振り回されっぱなし」な傍観者で、その物語に自分の過去をちょっとずつ見出している、という感じ。
これは読書に於ける読者が、物語に端々で共感出来る部分を捜しながら筋を追っていくものだ、ということに対するメタ的構造なのだよ！（cmizunaさんまた思いつきで適当なことを）

どうでもいいが遠子先輩と俺は読書の趣味がぜんぜん合わないな。
夢十夜そんなに好きじゃないし。あと遠野物語はその文脈で出てくるようなものではない気が。そんな重箱の隅はどうでもいいや。

個人的には、筋が「本歌取り」にいっぱいいっぱいで、そんなに面白いとは思わないですね。
筋というか前半に謎を入れすぎたせいか、最後の最後に登場人物がみんな語りすぎ。で焦点がいまいちブレるから「本歌取り」しか後に残らない、みたいな。
もう少しすっきりさせたら面白くなるような気がするんだよなあ。あのツンデレと麻貴先輩周りが無駄多すぎだと思うんだよね。

”文学少女”と飢え渇く幽霊 (ファミ通文庫)