深山森 『ラジオガールズ・ウィズ・ジャミング』
久々にラノベ読んでみた。
2006年下半期ラノサイ杯(新人・新作部門) とやら。
個人的には全然ラノベって読まないので、
「このラノベが〜」とかで既に何巻も続いてるようなのを推されても正直しんどいのでなかなか読まない(もしかして:食わず嫌い)のですが、
これは売れてないらしく作者が「続刊は出ないよ」宣言を出してる、みたいな経緯をweb上で見かけたのでなんか気になって買ってみたのです。誰に対して言い訳してるんだ俺は。
いやかなり大当たり。具体的にはクライマックスで涙目になってるところに新聞屋が訪ねてきて、開けたら「お休みのところ申し訳ございません」って言われるくらい。欠伸じゃねえ。
うーん何に泣いたかと言うとレコリスの健気な叫びと、まああと俺の個人的な「ラジオ」に対する感傷に、かしらん。
前半がわりと冗長気味なんだけど、そこで培った街の住人とレコリスとの繋がりが終盤に効いてきて全てをひっくり返すので、とても暖かい話です。
そうでありながらも、読みようによっちゃ、前半に人格を立てたキャラを道具扱いしてる大衆扇動の話にも読めるでしょうな。このご時勢ですし*1。
まあそういった視点を含め、敵側のテロリストの視点、独白もきちんと書かれているので、結構考える気になれる作品です。
以下軽く読み返しての雑感。
- P186あたりのランドロックのセリフは後ろに引っ張る意味があるんじゃないか
- クライマックスの泣き所から結末、エピローグまでがちょい間延びしてないか。
ラジオガール・ウィズ・ジャミング (電撃文庫 (1288))
- 作者: 深山森,BUNBUN
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2006/07
- メディア: 文庫
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*1:TBSとか