新大学院生はなぜー4日で辞めるのか

 はーいみんな、元気に新生活してるかな? 俺はしてない。院の入学式まであと4日もあるのに、既にだ。
 えー、俺が今年から行く大学院、京大の理学部の中にあるんですけど、微妙に別組織なんですよ。大学ってより、国際研究所って感じ。最初の1年目の授業とかは理学部の人たちと同じらしいんですけど。規模としてもそんなに大きくないわけだ。で、今日、その研究所に今年から新しく入る、つまり俺みたいに院生として入学してくる人から、教授とか研究員として迎えられる人までってことなんだけど、そういう人達のために歓迎会としての花見がありました。
 数日前に来たメールに出席の旨を返信したら、昨日だかにリマインダーとしてもっかいメールが来て、その中に参加者名簿みたいのが付いてたんだ。ところがどっこい、その名簿ってかなり順不同に名字だけが並んでたんだね。だって、所長より上に俺の名前とかあったし。でだ、俺が知ってる人で今年から同じ研究所に行く人ってのがもう1人いて、その人とは卒研が一緒だったりでわりと仲良かったんだけど、その人の名字、わりとありふれてるやつなのね。だから、その名簿みて名字だけあるんだけど、その人ちゃんと来てくれるかわからない。まあそんな感じの中、昨日の昼過ぎに出かけました。
 集合場所は"研究所の前"で、そっから鴨川の桜まで歩くってことになってたんだけど、これがまたえらく不親切で、あのね、この研究所って建物2つ持ってるんですよ。講演会とかのイベントやる記念館と、研究本館みたいの。そのどっちの前に集まればいいのかもわからない。まあ行ってみたらなんとなく本館の方の前でうろうろしてる人が1人2人いたからそっちっぽいんだ。で、俺とか研究室訪問の類を一切しないまま進学先決めたから、その本館の方って入ったことないわけ。夏前に一応説明会みたいのが記念館であった時にそっちは行ったんだけど。
 で、その本館の方行ってみたら、建物の中、玄関のロビーの中に既にもう何人も人が入ってるの。狭いとこだからわりともうびっしりだよ。でもざっと見ても唯一のその知り合いはいない。建物の前に集合って言ったじゃん……もう既にインサイドって……まだ誰もいないと思って別のとこで時間調整してたけど、もう人がいっぱい仲良さそうにしてて。まだ歓迎されてない身でこの輪の中に入っていくのとか無理ゲーだよ……。というわけで、その輪からちょっと外れて、研究所の入口の外で立ってました。外れて、たって、ガラス戸1枚くらいしか隔ててないですよ。途中で人数数える時には数えられたような気がしたし。まあしかしその外、折しも強風で寒い中、独りで伏し目がちに立ってますな。どのくらい伏し目がちだったかというと、同じく玄関の外に立って待ってた2人組、片方が外国人だってことはわかったんだけど、その2人ともがえらく英語の発音が良くて、「うわ、院生の頃からちゃんとこうやってればこのくらい英語喋れるようになんねや」っと思ってたんだけど、その後出発する時になって顔上げた時に初めてそいつらが両方外国人だったことに気付く、その程度には伏し目がちですよ。
 そう、人数確認もそこそこに、おもむろに花見会場に出発することになったんだよ。なんとなくみんな連れ立って歩いていく。えー、そこで俺、完全にあぶれまして、いつも通り最後列で1人ぽつんと歩いてるうちに、2番目の十字路くらい、なんならまだ大学の構内ですよ、そこでみんなから離れて家に帰っちゃいました。てへっ。
 えーとね、まあ、どうだっていいんだ。実際に花見が始まったら自己紹介の場でもあったろうにとか、今回のこのことに起因する面倒くさそうなこととか、「2年後に待ってろ北大!」とかはほんとにどうでもよくて、まあ実際なるようにしかならんですよ。大学院、金払ってんのこっちだぜ。本題はそこじゃないの。
 あのね、あまりにこのことに対して無感動な自分が嫌ですよ。家帰っても、自分のブログに「わけ」で検索かけて、「俺はいつから文末に『〜わけ』を使うようになったの?」とか言ってたり、エロゲやってたり、普通にしてる自分。こんなことよりアニメの録画失敗の方がずっと腹立たしいですもの。なんかさ、これは違うと思う。だってあれ、馴れ合いじゃないもん。
 RPGとかでさ、「ワシの息子がまたどっかへ行きよった! また洞窟の2Fで遊んでおるに違いない! おおそこな旅の人、ワシの息子を連れて帰ってきてくれんか?」みたいな小さいクエストみたいなので、ダンジョンの2Fにいるその子供に話しかけて強引に連れ帰ろうとするんだけど、細かく振り返ってその子供に話しかけたりしないとマップ移動の時とかにザザザザッつってまたその子供が走って逃げちゃってすげえめんどくさい、みたいなのってよくあるじゃん。俺がやってんのって、それだ、と思って。なんかそれは、俺が昔から欲しかった、独りでいる為に必要な強さとか技術とかは別の、ただの拗ねた子供のあれだなーって。そんだけ。