研究室送別会

 19時頃に始まるっていうから、研究室に10分前くらいに行ったら誰も何も準備してなくて「え?」って思った。なに喋ったかな。一言って言われて、「学部のころから数えると10年、この研究所には6年間お世話になりました。えー、6年前の歓迎会の折、(前所長)さんがセプテンバーイレブンの陰謀論のDVDを持ってきてみんなで観始めたときに、ヤバいとこに来ちゃったんじゃないかと思ったのを、まるで6年前のことのように思い出せます」って言ったんだけど、個人的にはこのブログとかでもよくやる、6年前のことを「まるで6年前のことのように」って言うというギャグがテクニカルで好きなんだけど、その前の前所長の話のとこがウケすぎてあんま聞こえない感じになってしまった。これだから喋りはな。「M1の終わりに論文を出させてもらって、それがわりと当たって、まあDCなんとかもあって、学生の一番楽しい部分だけやらせてもらって、そっからあっさり物理を捨てるって言うのはかなり申し訳ない感もあるんですけど、えー、まあD3の秋まで研究を続けてても普通に就職できるっていうことを後輩に示せたというので、ご勘弁いただきたく、」とかいうことを言ったはずです。そんなことを考えてたけど、ちゃんと舌が回ったかは覚えてない。そのあと夜が更けてからはずっと、その一昨日のこととかを愚痴りながら「愛されたい」っていう話をえんえんと後輩としてたね。

チャリ捨てた

 チャリ捨てに生協まで持ってったね。相当前からボロボロで乗ってなかったけど、たまに荷車として使ってたやつ。結果的にはこの後の引っ越しのときに荷車あったらいいなあって数回思った。濃緑のアレ、もしかしたら写真に残ってないかもなあ。その他、生協で偶然同級生と会うなど。数週間前に学食で飯食って別れを済ませたというのに。

すきだったひととごはんをたべてきたはなし

 1月の中頃だっけ、博士の公聴会が終わっていよいよもう100%で京都を出ることが決まったなって思って。そんで最後に、数年前に京都で好きになった人にご挨拶したいかな、って思って。まあこの人、俺に興味が無いこと甚だしくて、特にメールなんかしようものなら、平気で数週間後にちょう迷惑そうに返してくるっていう人なんだけど。数年前の俺は難儀な人を好きになったもんだな……。実際もう1年以上音信不通なわけ。っていうか、俺が無職になるっていう話をした日から音信不通だよ。そんで5月に就職決まってからも1度も連絡してないんだから、今更どうってことはないんだけど。
 まあしかし、公聴会が終わって飛田新地に行って、なんかね、久々にセックスをしてみても、全然どうでもいいことだったっていうのを思い出すじゃん。つらいと思って。つらいっていうか、でもまあ、このセックス直後のほんの少しの自己肯定感みたいのをちょっとでも活かさないと嘘だなと思って。そんで、その好きだった人にメールしたんですよ。1週間という、その人にしては早い返信が来て、しかも時間を作ってくれそうな雰囲気。もうちょっと細かい日程を詰めようというメールを送ったら、そっから1ヶ月以上の音信不通。いくらめんどくさくなったからって、こういう強引なやり方をしますか……ってドン引きしてたんだけど。それが何日か前に急にメール来てて。なんか全然休みなくて、なんなら吐血とかしてたらしい。なんつうかさあ……。まあいいんだけど。そんで改めて日程を決め直したら3日後くらいにご飯食うことになって。いいんだけどさあ……。そのメール交換もちんたらやってて、日程が決まったの、当日だからね。店の予約もクソもないんだよ。
 えー、髪切って区役所行って予備校行って駅行ってその場で服買って待ち合わせ場所に行きました。久々会ったらやっぱかわいいわけ。参ったなと思って。これだからさあ……。髪を伸ばしてて、しかもそれがわりとボサボサっぽくなってて仕事明けっぽくてエロいし。まあ楽しく、それでいて一切恋愛関係のこととかを話さずにご飯食べて帰りました。先方が全然俺の話の細かいとこ聞いてなくて、「どんだけ俺に興味ねーの(笑)」は何回か言った。そんなとこかなー。色々、仕事の話とか聞いて、参考にしたり心配になったりとかあんだけど。ま、元気でやってて欲しいとこですね。

野球を京都で観る

 そんで日曜にもロッテのオープン戦を見るという。もう、石垣島での練習試合2つを入れたらシーズン前に4試合目だからな。今回は京都の西京極。3日ぶりに家から出るじゃん、いま噂の花粉が飛んでいるということに気がつくね。ちょう鼻水が出る。そんで1人で西京極に行きます。球場に入るときの配布物にポケットティッシュが入っていて「たすかる」と思っている。試合自体はあんま印象ねえなあ。石垣島の練習試合で「よさそう」って思ってた黒沢があっさりワンナウトもとれずにサヨナラホームラン打たれてるの、ちょっと笑うけど。

幸田文 『駅・栗いくつ』

 幸田文のエッセイ集と短編小説。書いてあることはそこら辺のオバサンの、ある意味では個人的で頑固な思い込みであったりするんだけど、ちゃんと経験に基づいてることと、それをぴったりの言葉を選んできて、経験の確かさのままに文章化されてるところが、やっぱりこの著者の一番のいいところだったりして。

駅・栗いくつ (講談社文芸文庫)

駅・栗いくつ (講談社文芸文庫)

野球観るならこういう風にしんしゃいせ

 去年1年間、まああちこちで野球を観まして。3月の女子野球に始まり、4月京セラ6月甲子園7月に京セラ9月に仙台10月に千葉11月に札幌だったかな。なんならこないだはプロ野球のキャンプを観に石垣島へ行っている。そんなこんなで待ち侘びていた球春です。オープン戦が始まりました。関西でやる千葉ロッテの試合は3つかな、2つは大阪で1つは京都です。わーいと思って。1つずつ行こう! と思って。それはいいんだけど、後輩に1人、野球観るのが嫌いではないレベルの人がいて。去年も2試合一緒に観に行った。2試合ともロッテ負けてる。去年の俺のロッテ観戦成績3勝2敗だけど、その責任投手がたぶんこいつ。それを誘おうと思って。「オープン戦観に行かない? 火曜か水曜か日曜」なんつって、自分は2つ行くんだけど。そんで火曜日って言うから大阪の方ですよね、その火曜日のチケットを2人分と日曜日の自分用のチケットを買いました。そんでね……オープン戦だから。安いし、あんま人入ってないのね。だから、普段は買えないような席が買えちゃうわけ。買っちゃいました、大商大シート、いわゆるフィールドシートですよね。ここ10年くらいであちこちの球場にできた、ファールグランドに突き出てるような席。ヘルメットとかグローブとかが貸し出されるやつ。あれ、公式戦で普通に買うと1万円近くするんだけど、オープン戦だと5000円くらいなのね。買っちゃった。うっかり。見たくて。そんでさあ……言えないわけ。一緒に行く人に。そんな乗り気でもないオープン戦のチケットで、勝手に5000円の席買ってると思わないじゃん。もうちょう隠してて。わりと試合開始ギリギリの時間に着いたんだけど、そいつが球場前の売店で軽く食べ物を買おうとか言ってるわけ。俺は、その席がインプレー中に飲食禁止になることも、というかプレー中にその席に出入りができないから時間に間に合わないと入れなくなることも分かってるから、こっそり急ぎたいなーとかなり内心焦ってるね。実際、球場に入るときもその人にチケット渡さないで、「あ、後ろの人と2人分」とか言ってもぎりに渡してるし。そんで席に入れたのが17:57だったかな。18時から試合が始まるから、もうびっくりする暇もなく、急いで交代でトイレ行ったよね。
 試合自体はかなりテンポ良く進んで。まあイニングの合間の余計なイベントがなかったりとかあるんだけど。買ってきたご飯を、その短いイニングの合間に急いで食べたりしている。ホットドッグの、イニングの合間にケチャップを塗ったところまではプレーが始まっても食べていいルールとか言ってた。ちょっと席の前の机にケチャップが軽く付いて、「机でも噛んでれば?」なんつって。試合は、1回の表に逆側(俺らは3塁側で千葉ロッテ側)のフィールドシートに座ってる子供が手を伸ばして、オリックスの選手が捕れそうなファウルフライをとっちゃってそっからロッテが点とっちゃってちょっと騒然としたり、オリックスの新外国人がふわっとポール際に先頭打者ホームランを打ったり、序盤は面白かったけど、中盤くらいはちょっと動きがなくて、隣でそいつが寝落ちしかけてる。「ここで寝たら怪我しても賠償金は出ないよ」「はい……」なんつって。最初は俺の「あ、この人、石垣島で練習してた人だ」って言うっていうギャグとかあったんだけど。一緒に行った人はパワプロで野球を覚えた人なんだけど、ロッテが去年からたまにやるDH解除、アレをパワプロで見たことなかったらしくて、この試合で初めて見てちょう昂奮している。俺は「ちょっと前に、里崎と橋本将っていう打撃いいキャッチャーが2人いてさ……」とか言ってた。オッサンなのだな。フィールドシートはなんだろうな、清田の2塁から3塁に向かって走る足の速さがいちばんすごかったかな。

青年団 『冒険王』『新・冒険王』

 1980年、イスタンブールの安宿に集う日本人バックパッカーを描く『冒険王』、場所を同じくして時を2002年の日韓ワールドカップの韓国イタリア戦の日にして日本人と韓国人を描いた『新・冒険王』。
 『冒険王』の方の小杉というキャラクターの、日本から遠ざかることでの後ろめたさというか、逃げてるという自覚というか、それが周りの人の行動によってちょっとずつ自分の中に塵が積もっていくこと、それに対して結局自分が遠くに行くことで解決ではない解決にしてしまえというある種の投げやりの感情がすげえよく伝わってきて良かった。このキャラ、終盤に詩の一節を朗読するんだけど、その詩の朗読の仕方の演出意図、まあ特に平田オリザ自然言語云々の関係もあって気になって、公演後のアフタートークに出てきた平田オリザ本人に演出意図を訊いてしまった。あんまり細かく指示してはいなかったみたいだけど。
 『新・冒険王』の方は、日本と韓国という対比を使ってお互いの特徴を際立たせて、特にコミックリリーフを入れまくって浮かばせるの面白いし、そうやって鏡にできるということ、他山の石でもいいし青い芝でもいいんだけど、そういう対象にできる2国間関係という存在があること、色々問題はあるけど、別に戦争してるわけではない程度の隣国があること自体の有り難さに気がつく一作なんだけど、平田オリザお得意の同時に会話劇を進行させるやつ、あれを日本語と韓国語を混ぜてやるんだけど、それ韓国語の方は字幕でどうしてもそっちに引っ張られちゃうので、ほんとに細かいとこ把握するの大変だった。これはうちの研究所に来てるどっちの言語も分かる留学生2人連れてきたかったなあ。こっちは平田オリザより若い世代の話なので、結末をあんまり沈めずというか、わりと前向きな問いかけに聞こえる形だったんだと思うけどなあ。